先輩との組手の恐怖
空手を指導してもう33年ですが
昔も今も『組手の稽古』になるとお腹が痛くなったり
トイレから出てこなくなったりする子がいます。
こんにちは。極真空手愛媛中央支部西条道場の松本です。
空手をしてても『組手は嫌い』という子供たちは、少なからずいます。
というより結構います。
『組手は嫌い』=『組手が怖い』という事ですが
そもそも『組手は嫌い』=『組手は強くなくていい』
という考えだったりするのでいくら稽古をしても『組手が好き』
とか『怖くない』という考えになるのは、難しいですね。
なぜならいくら稽古しても気持ちがないので
やられる回数が増えるためどんどん嫌いになって行ったりもします。
空手の返事は『押忍』です。
極真空手の『押忍』の意味は尊敬・感謝・忍耐の3つの意味です。
組手とは、相手と戦う武道教育ですが、目の前の相手を倒し
勝つことだけが組手の極意とみなさんそう思ってる方も
多いと思いますが、組手には常に自分の心の中にいる
『怖い』『逃げ出したい』『痛い』『やめたい』『やりたくない』
という弱い自分との葛藤がありますが
その弱い自分の感情を押し倒し強い感情を芽生えさせ前に出ることが
組手の極意でもありますね。
子供たちは、まだまだ自分の感情をコントロールはできませんが
鍛え上げた肉体が自信になるように日々の地道な稽古の積み重ねこそが
いつか必ず自信になり今の恐怖心を克服するはずです。
継続こそ力なり
そんな自信がついた子供たちは、
一まわりも・・・いやもっともっと成長するはずです。
学校生活や日常生活で真剣勝負の恐怖を感じることはあまりありませんが
『先輩との組手は怖い』と恐怖を感じることも
これからの人生子供たちには、貴重な経験な気がします。
その怖い相手に何回も立ち向かい
『逃げない!あきらめない!』勇気こそが
弱い自分の心に打ち勝つ強い心と体へと少しずつ変わって行くのだと
先輩たちを見てそう思います。